音で狩りするフクロウ

動物雑学

フクロウの姿を思い出して特徴的なのは、鳥としては珍しく正面を向いた両目とそれを囲む良く回転する丸く大きい顔でしょう。

鷹の仲間であるフクロウは本当の顔は鷹のようなスマートな頭の形をしています。

皆さんもペットとして飼われているフクロウが水浴びしてほっそりとした姿になった画像をご覧になった事が有るのではないでしょうか。実はフクロウの丸い顔の正体は羽毛をツンツンんと立ててあの形にしたものなのです。なぜ態々そのような毛並みを持っているかと言うと、狩りの時に周囲の音を集めて聞き逃さないためです。フクロウは夜の森の中でネズミなどを狙います。森の地面は当然のように草や茂みで覆われています。獲物にされるネズミは当然茂みの下に隠れて動きます態々月明りに身を晒したりしません。これでは視力だけに頼っては獲物を見つけられません。そこでフクロウは獲物がたてた音からその居場所を正確に捉えられるように、集音マイクやパラボラアンテナのような形に自分の顔面の毛並みを発達させてきたのです。

さらにフクロウは二つの耳穴を左右非対称な位置に配する事で獲物の位置を正確に素早く把握できます。雪原で暮らすフクロウの仲間には深く積もった雪の下で動く獲物の音を捉え、雪にダイブして獲物を狩る種類もいます。これも、白い雪の中で白いウサギを狩るために、目だけに頼らず音を武器にする事で可能になった狩りの技です。さらにフクロウは獲物に向かって飛ぶ際、羽ばたいても音の発生しない風切羽をもっています。獲物にこちらの存在を察知されないためにも必要ですが、獲物の音で位置を捉えているフクロウの側も雑音を発生させずに獲物に近付く事で、例え獲物が動き回ってもフクロウの脚の爪が獲物を掴むその瞬間までその動きを追い続ける事ができます。フクロウは目が良い鳥として有名なので抜群の目を屈指して狩りをしていると思われがちですが、フクロウの狩りは音を巧みに使う事でその名ハンターぶりを発揮しているのです。フクロウが時折見せる、頭を傾げたり首を大きく回転させる動きは、実はこのように音を頼りに周囲の様子を観察しているのです。可愛らしいと見とれていると、飛びかかる間合いを測られているかもしれませんね。

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